「男女共同参画社会」の実現をめざして

名張市男女共同参画センター
Nabari City Gender Equality Center

研修会「相談現場から見るデジタル性暴力と子どもたち」を開催しました

研修会「相談現場から見るデジタル性暴力と子どもたち」を開催しました!

助 成:内閣府「地域における男女共同参画を支援するためのアドバイザー派遣事業」
講 師:周藤由美子さん(京都SARA〔京都性暴力被害者ワンストップ相談支援センター〕スーパーバイザー)
日 時:10月25日(土)13:30~15:30
場 所:名張市市民情報交流センター会議室1
実 施:参加者17人

近年増加しているインターネット上での性暴力や子どもの被害の実態について講師に学び、親や地域の大人として、子どもを守るためにできることを考える機会として、研修会を企画しました。

講師の周藤由美子さんは、性暴力とは?デジタル性暴力とは?といった言葉の定義から、被害のパターン、使われる手法、被害にあったときの対処法、周囲の対応など詳しくお話してくださいました。以下、お話の内容をまとめます。

▪ワンストップ支援センターについて…性暴力被害者(性別不問)の支援をする。各県に一つは存在し、三重では「よりこ」がある。
▪性暴力とは、あなたの望まない性的な行為すべて。パートナーとの強制された行為や性的虐待も含む。
▪デジタル性暴力とは、「承諾なく性的な動画や画像を撮影する」「撮影した性的動画・画像をSNSなどで拡散する」など、スマートフォンやインターネットなどの機器やデジタル技術を用いた性暴力のことである。

▪事例から手口を紹介。
事例①女子中学生が、SNSで毎日のように相談に乗ってくれる人から性的画像を送れと言われ、話を聞いてもらえなくなるのが嫌で送った。すると「会わないなら学校名と画像をSNSに流す」と脅された…「グルーミング(性的な目的で信頼関係を築く行為)」
事例②男子中学生が、SNSで知り合った女性から性的画像を送られ、「あなたも送って」と言われて送った。「拡散されたくなかったら電子マネーで◯万円送れ」と言われた…「セクストーション(性的脅迫)」
▪デジタル性暴力が被害者に与える影響は大きい。被害にあったときに本人と周囲が取るべき対処について(証拠の保存、司法面接)
▪法的にはどんな罪にあたるのか(近年のデジタル化を反映して「撮影罪」など新たな項目もできた)
▪大人から子どもへの性暴力だけでなく、子ども同士の性暴力もあり、その場合は被害者と加害者双方への(代弁者を別に設けての)支援が必要。
▪周囲の対応によって、回復が早くなるか、さらに深く傷つくか(二次被害)の違いが出る。信じないこと、被害者の行動を責めること、被害者の意思を超えた助言などは二次加害にあたる。
▪包括的性教育が必要。学校での「生命の安全教育」の紹介
▪性被害・性虐待が「あり得る」ことなのだという認識が必要。子どもへの目線では「問題のある子ども」ではなく「何かあったのかも」と考える。

 このように、性暴力への対処や実際の事例について教えていただくことで、気づかされることが多く、普段からできることは何かを考えさせられる内容でした。子どもたちが不安に思いながらも性的画像を送ってしまう心理の背景に、リアルでの周囲の大人との関係や自己肯定感に関わる課題があること、「どんな子なら安心」という問題ではなく、デジタル性暴力は巧妙な手口であり、すぐそばにあるものだと認識を新たにしました。

〈参加者アンケートから〉
・知らないことばかりで大変勉強になりました。デジタル機器がどのように悪用されるかを学ぶことができました。また、性被害者への理解が深まりました。今後もし誰かに被害を打ち明けられたら、子どもに限らず、自分を信じて相談してくれた相手を否定せず傾聴したいと思います。
・法律が改正されていくことは本当にいい事と思いました。被害にあう子どもたちへの声かけもとても参考になり、今日教えていただいたことを伝えたいです。職場でも共有したい内容でした。
・どんな手口があるのかのお話から、「とにかく気を付けて」ではなく、何に気を付けたらいいのかが分かり、とてもありがたく思いました。周りの子どもにも大人にも、「グルーミング」や「セクストーション」について知らせていきたいです。子どもたちが被害にあうかもしれないこと、もうあっているかもしれないことを忘れてはならず、周りの大人が子どもたちと健全な関係を築くことが本当に大切だと学びました。貴重な講座をありがとうございました。

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