人権文化のまちづくり

名張市人権センター
Nabari City Human Rights Center

「男子」「女子」ではなく自分にあった制服を選ぼう「Ⅰ~Ⅲ型」に

 三重県伊賀市立上野南中学校(伊賀市森寺、生徒数174人)は今年度の1年生(52人)から制服を従来の詰め襟の学生服、セーラー服からブレザーに変更し、「男子の制服」、「女子の制服」でなくI型、Ⅱ型、Ⅲ型と呼ぶ3種類から自分に合った制服を選べるようにした。

 上野南中によると、2019年に職員から女子はスカート、男子はズボンとする以前からの制服に違和感を感じる子どももいるようだと声が上がり、当時の全校生徒にアンケートをした。制服はあった方がいいという生徒がほとんどだったが、現状維持と変えても変えなくてもどちらでもいいがほぼ同数で、変えた方がよいとする生徒もいた。スカートとスラックスを選べる方がいいと答えた生徒も多かった。

 これらの結果から上野南中は「制服を変更しても問題ない」と判断。20年4月に五百雀(いおじゃく)豊校長が着任し、校長、教頭、学年主任や保護者ら合わせて10人の制服検討委を設置。検討委で5回の協議を重ね、3種類のブレザー制服が決まり、今年4月に入学した1年生から着用している。

 Ⅰ型はゆったりタイプでスラックス、Ⅱ型はすっきりしたタイプでスカート、Ⅲ型もすっきりとしてスラックス。いずれもネクタイかリボンをつけ、スカートとネクタイの組み合わせも認めている。

 ネクタイとリボンは青色にアオギリの葉をデザインした。学校には「被爆アオギリ2世」が植えられている。

 五百雀 校長は動きやすさや寒さ対策の機能面やファッション面から選ぶ生徒もいると考えられる一方、伊賀市が同性カップルを認める「パートナーシップ宣誓制度」を導入していることも挙げ、LGBTなどの性的少数者への理解の面からも「時代のニーズに合っていることだと思います」と話した。

 2、3年生の制服は変えていない。また、当面は移行期間として1年生にも兄や姉が着た従来の制服の着用を認めている。一方で、上野南中の校則に「男子の制服」「女子の制服」の文言があり、将来は」この文言を「制服」などに変更するという。

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