人権文化のまちづくり

名張市人権センター
Nabari City Human Rights Center

2020年度人権ワークショップ課題別講座②を開催しました!!

人権ワークショップ課題別講座②
 人権教育と道徳教育の関連について考える
       ~特質を押さえながら指導の充実を図るために~

 8月17日(月)午後1時30分から、講師に畿央大学教授 島 恒生さんをお迎えして、人権ワークショップ課題別講座②を開催しました。なお、予定していた講座①は中止とさせていただきました。今年は、新型コロナウィルス感染拡大防止対策として、通常120名利用できる研修室が50%の利用となり、暑い中マスクをした57名もの多くの参加者の方々が集まってくださいました。例年ワークショップ形式で開催される講座ですが、ソーシャルディスタンスの関係から、机1台に一人座っていただくという形をとるとともに、セミナー形式としました。

 人権教育には「知識」「価値」「技能」の側面がある。この三つの側面の充実を図ることで、一人ひとりが大切にされ差別のない社会を自分たちが創っていこううとする力を子どもたちに育てていくことができる。一方道徳教育は、内面的な資質である道徳性や道徳的実践力に焦点を当て、よりよく生きようとする豊かな心を育てる教育活動である。道徳教育は、人権教育の三つの側面の中の「価値」を中心として、人権教育の中で大きな役割を果たす。人権教育における道徳教育の役割、道徳教育における人権教育の役割をしっかりと押さえた実践を積み重ねていくことが大切です。

 「国語と道徳の違いについて考えてください。」島先生から問われました。
国語は状況・内容の理解、道徳は「あれ?」って考える、「天井を見る」「皆で考え話し合う」ことです。  

主体的・対話的で深い学びの授業とは、教師から尋ねられるから考える授業ではなく子どもが思わず考え、話したくなる授業<教師がしゃべり過ぎず、話したくなる授業!><しかも、深い学びのある授業!>
 子どもたちの頭の中に「あれっ、なぜだろう?」と「?」が沸き起こる問いによって、子どもたちが自分の考え、価値観、経験を振り返りながら、みんなで考え合う学習が大切である。

 「まどがらすとさかな」・「裏庭での出来事」の資料をもとに「中心発問」についてまなびました。
 資料からは、「正直・誠実」を学びますが、低学年・中学年・高学年、そして中学校では当然「ねらい」が変わってきます。例えば、「まどがらすとさかな」では、『ボールを返してもらった千一郎はどんな気持ちだっただろう?』『あれだけ言えなかった千一郎が正直に話そうと思ったのはどうしてだろう?』という発問に、子どもたちが、自分自身が考え、いろんな考え方を、子どもたちが自分自身に問いかけるようにする。聞かれたら答えるのではなく、自然と考えたくなる発問が大事です。教師が答えを導き出すように誘導することはしてはいけない。教師がしゃべるのではなく、子どもたちから「先生、例えば・・・」という言葉が出てきたらしめたものです。道徳的価値に対する感じ方や考え方、生き方・・・道徳科とは、深いものを皆で話し合って深く掘り下げていくことです。

 人権教育と道徳教育の関連について、暑くマスクをしたままの3時間、丁寧に分かりやすく講座をすすめていただいた島先生、本日は本当にありがとうございました。ご参加いただいた皆さんに、本日の講座を人権教育や道徳教育に役立てていただけたらと思います。本日は、ありがとうございました。


<参加者アンケートより>
・人権と道徳との関連という知りたかったテーマでの話を聞けてよかった。疑問もわくところもあり、考えさせられた。
・例年と異なる形式であるといえども、人権教育と道徳教育を関連づけさせ「人権ワークショップ」としてのより有意義な時間にできたのでは、という印象を受けた。一方、指導法の基本から親切丁寧な解説であったため、非常に明快で理解しやすい講話であった。
・小中学校の道徳教育や人権教育の奥深さにただただ驚くばかりでした。高校でも使える(大切にしたいこと)ことがたくさんありました。ありがとうございました。

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