人権文化のまちづくり

名張市人権センター
Nabari City Human Rights Center

2025年度 人権文化まちづくり講座開催しました!!

 9月20日(土)午後1時30分から名張市市民情報交流センター会議室において、講師にみえ人権教育・啓発研究会代表の松村智広さんをお招きして、2025年度人権文化まちづくり講座「へこたれへん 人はきっとつながれる~まち・ひと・つなぐ~」と題してご講演いただきました。

 講師の松村さんは、現職時代からも教育現場等への講演や指導・助言にいかれるなど、人権・同和教育の推進に尽力され、退職後はさらに活動を広げられ全国各地へ講演に行かれたり本を出版されたりと大変ご活躍の方です。
 講演では、主にご自身の体験から感じたことを中心に捉えながら、その中にある問題や課題をつぶさに感じ取られるような内容で、ユーモアを交えながら楽しく、そして鋭い視点で投げかけながらお話しくださいました。その随所には、自分のなかの気づきや振り返り、そして心に響く言葉がありました。
 お話の項目は13点。
 講師の松村さんは、変形性股関節症で、短い距離でタクシーに乗られることがありその時の体験したことを話されました。乗る前に「短い距離ですがいいですか」と断って乗ったのに、降車する時に「短い距離に乗るな」と言われた。たいていの人は差別発言をされてもすぐには言い返すことはできないが、松村さんは「ちょっと扉をしめてくれますか」と運転手さんと話をした。このままにしておくとこれからも多くの障害者や高齢者に同じような態度で接するかもしれないと思ったから。差別やいじめは、他の人の力を借りながら、出来るだけ早い段階で、その醜いボールを相手に投げ返さないといけない。言えなかったら、いったん自分が吸い込んで自分が醜くさせられる。そして自分より弱いところにぶっける。差別の悪循環にはまり込む。意識を持つことで人間が変わる。世論作り、雰囲気作りが大事。意味はないという人もいるが抑止力にはなる。と話されました。
 人権学習は、自分自身の内面をのぞく鏡を持つ時間です。自分のことは一番わかっているようで、実は一番わかっていないものです。人権を学ぶことで、自分の未来をちょっとくらいなら変えられそうです。そして自分を変えることができたら、相手にも影響を与えることが出来るかなと思います。人権教育を学んで、人権感覚が高まり、人の痛みをわかろうとすること、見ようとすれば見えるものが見えてくる。見えてくると接し方が違ってくる。分かろうとすると、いろんなことが学ばれれる。と話されました。
 「木は光をあびて育つ」「人は言葉をあびて育つ」。変えられることは変えていき、変えられないことはそのまま受け入れてください。自分ために生きる、他の人のために(大切な人のため)に生きる、エンジンを2つ持ってください。と話された松村さんです。
 部落問題は社会問題です。差別される人が悪いのではなく差別する人が問題なのであり、差別する人が線を引いています。部落差別をなくすには、一人では何もできないという考え方がありますが、私は一人が動けば事態は動いていくと思っています。人権とは「自分にされて嫌なことは、他人にもしない、他人の幸せをじゃませず自分も幸せになる、他人の不幸を踏み台にした幸せはいらない」と話されました。

 講師の松村さんは、笑いを交えて差別に対する熱い気持ちをご講演いただきました。参加者の方々も「楽しい講座で元気をもらいました。」「心に響く講座でした。」などご満足いただける講座になりました。講師の松村さん本当にありがとうございました。参加者の皆様ありがとうございました。

【参加者のアンケート】
・きれいごとばかりではなく、人は誰のことも好きでいられるわけがない等のお話もあり、肩の力をい て 人権活動できるなと感じました。
・内容が大変良かった。多くの知識を持たれている先生から笑いを交えた有意義な話を聞くことができて良かったです。
・色々な深い人権問題をわかり易いたとえで、面白く話をして頂いて聞きやすく勉強になりました。
・ご自分の体験を笑いを交えて語ってくださったことに感謝します。今まで聞かせていただいた中で一番感動しました。
・どのような立場でも、年齢でも、研修・勉強を続けていきたいと強く思いました。そして、より多の人と共有していきたいと思いました。
・松村先生ありがとうございました。笑いながら聞かせてもらい元気が出、勇気がわきました。私も子どもたち、周りの大人にそんなふうに感じてもらえるよう自分を磨き、熱をもって話していきたいです。
 

 

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