人権文化のまちづくり

名張市人権センター
Nabari City Human Rights Center

2023年度人権ワークショップ課題別講座②を開催しました!!

10月26日(木)午後4時から名張市教育センター大研修室において、講師に大阪聖和保育園事務局長森本宮仁子さんをお招きして「2023年度ワークショップ課題別講座② ~子どもの人権を大切にした園・所内での実践~」を開催しました。

 最初に「子どもの人権と保育について」お話しされました。昔、「子ども」は大人の縮小版と思われていました。1700年代ルソーの著書「エミール」により、大人の縮図とかしか見ていなかった子どもを大人から解放し、子どもとして考えなければならない「子どもの発見」を確立した。1840年にドイツに世界最初の幼稚園を創設したフレ―ベルの教育思想は、「子どもを神的な存在として捉えること」「子どもを遊びを通して学べる環境づくり」です。保育とは、「基礎を培う」ことです。「種を植えて最初に出るのは、何ですか?」と問いかけられました。根が先で、根を育てることは就学前で、環境によって育ち方が違います。保育とは、目に見えないものを培うことで、非認知能力(目に見えない感情や心の動き・数値化できない能力)を育むことと同じです。「子どもの人権と保育」とは、「一人一人違う自分を実現する、生まれながらに持っている権利」を「尊厳する保育」だと話されました。

 次に「自分の保育を確認する」についてワークを行いました。保育園の中で「揃えているもの」「揃えていないもの」について考えてみました。揃えているものは大人の願い、揃えていないものは子ども主体です。自分の保育を確認することは、子どもたちに何を伝えたいのかという事に対して、意識を持つことです。違うと思ったら変えていく変わっていく必要がありますと話されました。
 次に「多様性」と「特別な支援を要する子ども」について話され、「多様性を尊重する保育についてワークを行いました。Bくんが先生のところにやってきて「先生、なんでAくんは歩けないの?なんで、よだれ出てるの?赤ちゃんなの?」と聞いてきました。2歳~8歳までは、「前偏見」という概念があり、初めて見るものに対して、「不快」「拒絶」「恐れ」があります。この前偏見はあるがそれを偏見に変えてはいけない。アサーションで対応し、さわやかな自己表現・主張をすることで、「ああ、なんだたいしたことないんや」「ああ、ちがっても大丈夫や」と思ってもらうことが大切ですと話されました。
 「子どもの人権を大切にした園・所内での実践」とは、子どもたち一人一人の違いを認めていくこと、それぞれに違う一人一人の子どもの「自尊感情」を豊かにはぐくむことを実践できる保育を行うことだと話されました。

 「人権ワークショップ課題別講座②」~子どもの人権を大切にした園・所内での実践~について講師の森本さんには、とてもわかりやすく心にしみるお話をしていただきました。本日はありがとうございました。本日の講座で、子どもの人権を大切にした園・所内での実践について学ばせて頂きました。参加者のみなさんありがとうございました。

【参加者のアンケートより】
・とても解りやすく、お話に引きつけられました。何のためにしているのか意識をすることで見え方が変わるというところ、自分の保育を見直すきっかけになるというお話がとても印象的でした。目に見えない根っこを育ててるという事を頭におき、日々の保育に活かしていきたいと思います。違いが見えやすい環境づくりが子どもにとって豊かだという事を学ばせて頂きました。
・乳幼児期に一人ひとりのめに見えないものを育てることや一人ひとり違うことを大切にする保育、その子のありのままの姿その子のすべてを大切にし、幼児期に見られる前偏見という時の関わり方や、その時の対応によって偏見にかかわってくるなど学んだ。何ら関りのないこと、たいした事ではなかったと子が感じること・・そのためには、自分自身の保育を振り返っていくこと、自分の中で、何を大切にしていくのか、どんな子にそだてたいかなど、しっかりと考え自分をかえていくことが大切だとおもった。
・保育を基本とした内容で子どもと向き合う思いや気持ちを思い出させて頂きました。職員間でも固執した考えや保育観をおしつけあい上手くいかないことが多く、悩みが多い日にまいっていましたが、「アサーション」で対応することを大人(職員間)でも実践してみたいとおもいました。
・先生のお話を聴きたくて、今日の日をとても楽しみにしていました。全てが心にしみるお話でした。そして、とてもよく理解できました。もっとお話をききたかったです。

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