人権文化のまちづくり

名張市人権センター
Nabari City Human Rights Center

2022年度名張市人権啓発企業研修会を開催しました!!

名張市人権啓発企業研修会
 同和問題の基本的理解と企業の取組
         ~未来に向けて~

 11月2日(水)午後3時から講師に大阪企業人権協議会 総合アドバイザー芦田武雄さんをお迎えして、2022年度名張市人権啓発企業研修会を名張市大会議室で開催しました。会場は新型コロナ感染対策を十分に取り、45名の方に参加していただきました。

 最初に「皆さん、どんな人が人権問題の加害者になっていると思いますか?」と質問されました。人権問題は、知識がない、本質の理解・認識不足、自覚・関心がないこと等から起こります。差別は「無知・無理解・無自覚(無関心)によるものだと話されました。大人は経験をつむことによって、自分の考え方や価値観を固持する傾向が強く、相手の意見を素直に受け入れられない所があります。そこで、キーワードは「気づき」です。こまかいことに気づくことは大切です。自分自身で気づくことが大切です。学ぶことは大事ですが、日頃から自分の行動が相手がどう思っているのか意識することが大切だと話されました。
 次に「同和問題」と聞いて、どのようなイメージを持っているのでしょうか。
「自分自身に体験や経験がないのでピントこない、自分とは関係がない問題、自分は同和教育を学んできたので自分が偏見や差別意識を持つことはない、部落問題は知らなければ知らない方が良いのではないか」などと考えている人が多いと思います。社会的な課題や解決すべき問題を考える場合、今の「現実」と「正しい現状把握」をして、課題を見つける事ですと話されました。意識調査では、現在でも部落差別は73.4%ある、部落差別はもはや存在しない24.2%(2019年:法務省「人権に関わる意識調査」)。2016年名張市の意識調査では、差別意識は薄まりつつあるがまだ残っている、が57%でした。差別意識の現状は「差別を知らないのではなく知ろうとしない、見えないのではなく見ようとしない。差別が自分自身の周りにないと思う人は、差別に関心がなく、見抜く力がない、ということが、問題です。」と話されました。

 2016年12月16日に公布・施行された部落差別解消推進法の第一条には、「現在もなお部落差別が存在する。部落差別の解消を推進し、部落差別のない社会を実現することを目的とする。」と書かれています。「寝た子を起こすな論」は法務省の調査で、79.9%の人が聞いたことがあると答えています。多くの人は差別の現実・差別の存在を知らないで、差別をしています。講師の芦田さんは、「寝た子は正しく起こせ、しかも早く」と強調され、正しい理解と学びが、偏見を取り去ると話されました。
 次に企業活動と人権について、話されました。新入社員の同和問題意識調査では、誤った認識をしている人が、76.9%だそうです。企業として、人権教育をしないことはいけないことだと話されました。人権研修の3つのステップとして、第1ステップ知識(正しい知識をえる)、第2ステップ感性(差別に気づく力、差別の痛みを知っているか、差別を見抜く力をえる)、第3ステップ実践、行動(差別を見逃さない)。家に帰ったら家族一人ひとりにありがとうと感謝の気持ちを伝えましょう。(行動)と教えていただきました。結論として、「人間力」は「人権力」と話されました。
 最後に、人権を通じ知り合った人が、圧倒的に多い。人権を学んでマイナスになった人に出会ったことがない。人権を学んで、よかったと話されました.
「同和問題の基本的理解と企業の取組美~未来に向けて~」について、たくさんの資料をもとに、分かりやすく丁寧に教えて頂きました。講師の芦田さん、本日は、本当にありがとうございました。本日の講座で、同和問題について、自分から進んで行動することを、学ばせて頂きました。参加者の皆さんありがとうございました。

【参加者のアンケートから】
・寝た子を起こすなという人は他人事と思っている人。いかに自分事として考えられる人を増やすかが啓発するときに大切だと思っています。(ステップ1)知識は研修で得られますが、(ステップ2)感性と(ステップ3)実践につなげられる人を増やす、心にひびく研修を考えていきます。「人間力」は「人権力」心に残りました。今日は、ありがとうございました。
・事業所内でも自覚なく差別をし、人を傷つける方が多く残念でありましたが、自分一人にできることはないとあきらめていました。本日の講演を拝聴し、また研修報告の時に人権問題を考え見つめ直してもらえるように皆に伝えたいと思います。
・無知こそが差別を助長するという言葉がとても印象的でした。自分の行動、言葉を常に意識し、センサーをはたらかせ、気づける人になりたいと思いました。



 

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