人権文化のまちづくり

名張市人権センター
Nabari City Human Rights Center

2022年度人権相談力アップ研修会を開催しました!!

人権相談力アップ研修会
 外国人とやさしい日本語で話そう
   ~多文化共生・インクルーシブ社会の実現に向けて~

 10月26日(水)午後2時から講師に「やさしい日本語代表」船見和秀さんをお迎えして、人権相談力アップ研修会を開催しました。新型コロナウィルス対策を十分に取り、60名の参加者の方々とセミナー形式とワークショップをさせて頂きました。
 前半「やさしい日本語」について、講師の船見さんにお話いただきました。
最初に<多文化共生クイズ>を3問出されました。コロナ流行後、日本国内の外国人はほとんど減っていません。日本で暮らす外国人の人が、少しでも日本語で会話(日常会話)ができる割合は、なんと88%の方が話すことが出来ます。「私たちは、外国人の顔を見て外国語で話そうとしますが、外国語で話さず、まずは日本語で話しかけてください」と話されました。現在、日本の人口に占める外国人の割合は約2%ですが、2040年には6.5%、2065年には12%、8人に1人が外国人が住んでいる社会になります。そこで話す言葉は、共通語として「やさしい日本語」が必要となってきますと話されました。

 次に「やさしい日本語」について、お話いただきました。1995年阪神淡路大震災の時に、日本にいた多くの外国人も被害を受けましたが、日本語も英語も十分理解できず、必要な情報をを受け取ることができない人もいました。そこで、災害発生時に適切な行動をとれるように考えだされたのが「やさしい日本語」の始まりです。
「やさしい日本語」で話すコツは、ワセダ式ハサミの法則です。ッキリ言う(はっきり伝える)、いごまで言う(「です/ます/ください」で終える)、じかく言う(一文は短く言う)。外国人に話す時は、必要なことだけを伝えることが大事です。長い文章説明は、かえって分かりにくいです。例えば、「市役所に行ったら、受付に行って、番号札を取って、長椅子にかけててね。」って言われても分かりにくい。そこで、ハサミ方式です。まず、「市役所に行きます。受付に、行きます。番号札を取ってください。椅子に座ってください。」と、短い文章で伝えることが大切です。敬語や、漢語をさけて、できることはできる、できないことはできないとはっきり話す。擬音語・擬態語やカタカナ語は通じにくいので使わない方がいいです。 「やさしい日本語」に正解はありませ ん。相手に通じれば「やしい日本語」ですと話されました。

 後半は、岸本さん、老邑さん、二人によるやさしい日本語言い替えワークショップが始まりました。
☆単語編「火気厳禁」⇒ 火を使ってはいけません 、「男女兼用」⇒ 男の人も女の人も使うことが出来ます 、「整理整頓」⇒ 使った後はここに置きます 。よく見かける言葉ですが、外国の方には読み方を教えてあげてください。そして「やさしい日本語」で説明してあげてください。
☆防災編「至急高台へ避難を開始せなあかんで。」⇒すぐに高い所へ逃げてください、「あっちで炊き出しやりますよ。」⇒暖かい食べ物が食べることが出来ます。無料です、など分かりやすく話すことが、命を救う言葉になります。
☆生活編「この施設は土足厳禁です。」⇒靴を脱いでください、「今日は何のゴミの日か、知っていますか」⇒今日はアルミ缶の日ではありません。アルミ缶は水曜日です、「現金しかご利用できません」⇒お金だけ使うことができます。カードは使うことはできません、など具体的に教えてあげることが必要です。
☆役所の窓口編「ご本人確認できるものを拝見できますか。」⇒外国の人は必ず在留カードを携帯しなければならないので、在留カードをみせてください、「この書類に全て記入して捺印の上、窓口にお持ちください。」⇒記入する所を一つ一つ確認しながら、記入してもらう。ハンコは必ず携帯しています。「申請は年度末まで受け付けます。」⇒日本の年度末は、3月31日までですが、国によって違うので日にちをお知らせする。
 言い替えワークショップでは、参加者の方々に「やさしい日本語」に言い換えて答えて頂きました。「やさしい日本語」は、相手の立場に立って伝えること、相手を理解することが大切です。

 最後に講師の船見さんから、積極的に「やさしい日本語」を使って、「やさしい」まちづくりをしてくださいと話されました。

 「外国人とやしい日本語で話そう~多文化共生・インクルーシブ社会の実現に向けて」について、分かりやすく丁寧に、教えて頂きました、講師の船見さん、アシスタントの岸本さん老邑さん、本日はありがとうございました。本日の講座で、「やさしい日本語」について、学ばせて頂きました。参加者の皆様ありがとうございました。

【参加者アンケートより】
・言い換えのバリエーションを多く身に付けることができた。
・外国の方ばかりでなく、短く切って、最後まではっきり伝えることは、日本人  
 どうしで あっても、家族間であっても、「伝える」には、ハサミが重要。
・普段使っている言葉が、外国の方にとっていかに難しいかわかりやすかったで
 す。また、日本語で話しかけていいとは目からウロコでした。

 



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