人権文化のまちづくり

名張市人権センター
Nabari City Human Rights Center

2022年度人権ワークショップ課題別講座①を開催しました!!

人権ワークショップ課題別講座①
 「こだわり」のある学級づくりをしよう
   ~ハンセン病問題学習の取組のなかで~

 7月26日(火)午後1時30分から、講師に大阪市立東小路小学校教諭 井戸田華陽さんをお迎えして、人権ワークショップ課題別講座①を開催しました。新型コロナウィルス対策を十分に取り、32名の参加者の方々とセミナー形式とワークショップをさせていただきました。

 最初に「こだわりのある学級づくり」についてお話しされました。「こだわり」とは「マイナスイメージでとらえなくて、やりたい事が多いととらえて欲しい」と言われました。先生もやりたいことの多い学習の中で、ハンセン病問題について子どもたちと取り組みたいと話されました。
 学級開きをする時に「人権の詩」(作者不明)を参考にして、子どもたちと詩について話し合いをするそうです。「答えはなくて何を言ってもいい」ということを、学級開きのきっかけ作りにしている言われました。

 大阪市では「いじめを考える日」があります。「なかま集会」を軸にして、いじめを考えること、いろんな人権問題をカテゴリ別に勉強しています。あの時言われて嬉しかったこと、あの時いわれなかったけど今なら言えるということを俳句にして作ったり、葉っぱを型どった紙に書いたりして貼っていき「友達の木」を作っていく取り組みをされています。
 SDGsについては、取り組方によって人権課題を学ぶことが出来ると思いますと話されました。
 次に、人権ワークショップで「学校の中で取り組んでいる人権問題」について話し合ってくださいと提案され、A~Gの4人1組で話し合いが始まりました。どこのグループも一生懸命話され、相談されていました。そして、それぞれのチームの代表の方が発表されました。先生方の発表を聞かれた井戸田先生は、人権教育をすることによって、少しずつでも変わっていくことは大事なことであるとおっしゃいました。。「幼稚園、保育所の保護者からLGBTの話をしてくださいという声が上がってきたことは、世の中がいいように変わってきたと思います。」と話されました。
道徳と人権教育の違いについて、「道徳は、ルールや自分を見直すものであり、人権教育は自分を解放するところです。」と話されました。

 次にハンセン病問題学習の取り組みについて、お話しされました。ハンセン病は、らい菌とよばれる細菌に感染することで発症する病気ですが、ハンセン病の感染力は弱いもので、現在はプロミンという薬で完治しています。しかしながら、昔ハンセン病にかかって完治している人の中には、 故郷にも帰れず、家族にも会えず いまだに昔隔離された施設で暮らしている人が多くいらっしゃいます。ハンセン病の勉強を通して、自分も自分の家族や周りの人たちに差別学習をして、正しいことを伝えていく。その一つとして、当事者に会って話を聞くことが大切です。「話を聞くことによって変わっていく」これが人権教育だと思います。
 さらに「ハンセン病について何か知っていることがありますか?」と問いかけられました。ハンセン病だけでなくLGBTなどいろんなことを、子どもたちに提示していくことが大切ですと話されました。

「人間回復の橋」と呼ばれる《邑久((おく)長島大橋》
施設に入所した最初に入る消毒液
何人かで暮らしていた施設

 「ふつうって何」あなたにとってのふつうは、私にとってのふつうではない、人それぞれです。人権教育こそ非日常課題ではなく、日常の中に「ふつう」はないと話されました。
 人と人のつながりがライトになってくる、顔を出さなくても口をだすことが出来る世の中、社会が私たちを差別しているという事に対して声をあげることが出来る世の中になっていることは良いことですが、反面違う所もあります。目の前にいる子ども、親たち社会、自分のものをみつめて、ライトでなく深く真剣に向き合うことが大切です。「また、人権課題を子どもたちが学んで、大人たちに伝えてくれることが重要です。」とお話しされました。

 「こだわり」のある学級づくりをしよう~ハンセン病問題の学習の取組の中で~」について、マスクをしたまま3時間、子どもたちに対する熱い思いをお話いただいた井戸田先生、本日はありがとうございました。本日の講座において、子どもたちと真剣に取り組みをしていくことの大切さを学ばせていただきました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

【参加者のアンケートより】
・「ハンセン病」問題を取り上げるにあたって、まず私自身が「ハンセン病」について知らないことが多かったこと、躊躇している自分がいたことを今回の講座で知る機会となった。井戸田さんの実践の取組だけでなく、井戸田さん自身の人権教育に対する熱意や子どもと向き合う姿勢も感じ取ることができ、まず教師自身が人権教育に取り組んでいかなければならないと思った。
・人権教育をするにあたつて、しっかり自分自身が勉強して、子どもたちに考えさせたいこと、つたえたいことをしっかり筋をもって話せるようにしていきたいと強く思いました。真剣にしたら真剣に返ってくるということを頭に入れて、明日からがんばっていきたいと思います。
・人権学習について、小学校での取り組みをお話してくださっていましたが、保育園での取り組みとして生かせていける所がたくさんあり、聞かせていただけて貴重な時間でした。

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