誇りのもてる「自治のまち」を実現するために

名張市市民活動支援センター
Nabari City Civic Activity Support Center

SDGsワークショップ ナバリミライ Part.4「ワークショップ③経済」

7月9日(土)13時30分~16時30分
Part.4 テーマA「働き方って一つじゃないよ」
~地域で働く、地域資源を活かして働く~

「名張の地域づくりについて」
話題提供:名張市役所地域経営室 藤本勇樹さん
まず、人口ピラミッド推計から見えてくる名張の将来についてお話をしてくださいました。急速に高齢化が進み、「1人の若者が1人の高齢者を支える」という厳しい社会が訪れることを知りました。そうなると、市は財政難となり、今まで通りの行政サービスを受けることができなくなるかもしれません。そこで、名張市では全国に先駆けて、「自分たちの地域は自分たちでなんとかする」地域住民主導のまちづくりへと転換しました。市内を15地域に分け、それぞれの地域が自分たちの地域に合った活動を行っています。地域資源を使ってコミュニティビジネスを立ち上げたり、地域の困りごとを解決するための事業を行ったり、様々な工夫を行っています。ただ、今まで組織を支えてくださっていた方々が、今後は支えられる側にまわってしまうという「ワニのくち現象」が現れることが予想されています。そこで必要になってくるのが、市民、企業、学校、市役所が協働し、地域の課題を解決しながら、雇用も生み出す工夫です。ナバリのミライ考えるための資料となる内容でした。

「 一般社団法人滝川YORIAIの活動」
話題提供: 一般社団法人滝川YORIAI  重森洋志さん
「自分たちの子どもたちが地域に自信を持ち、誇れる地域にしたい、大人になったときに、県外に出ていかなくても様々な選択やチャレンジできる地域にする」を目標に、2015年から赤目町で活動している若い世代で構成されている団体です。大きな転機は、市が2017年に赤目四十八滝キャンプ場の譲渡もしくは廃止を検討しはじめためた時でした。地域の重要な観光資源の一つであるキャンプ場を拠点に、雇用の創出も図りたいと、地域づくり組織の協力を受けながら、管理運営を行うことになりました。そこから、キャンプ場の運営だけにとどまらず、移住支援、空き家や耕作放棄地の利活用など、活動の範囲を広げています。精力的に活動をすすめる彼らの原動力は「赤目町を盛り上げたい、子どもたちが誇れる地域でありたい」という強い思いです。地域づくり組織を含め、さまざまな人とゆるくつながり、そこから課題を見つけ解決するための事業を創造する方法など、たくさんの学びを提供してくださいました。

「地域おこし協力隊として働く」
話題提供:地域おこし協力隊 長谷川幸太朗さん
長谷川さんが地域おこし協力隊として名張に赴任してこられて2年目になります。地域おこし協力隊とは、 都市部から地方に移り住んで地域活性化に取り組む国の制度 のことです。長谷川さんは、東京都からご家族で移住してこられました。協力隊を選択したのは、移住者の目線で地域の資源や魅力を見つけ、盛り上げたいと思われたからだそうです。その移住先を決めるにあたり、全国各地に赴いて現地を見た結果、 伊賀地域は自然と町が近く住みやすそうで、自分たちにぴったり合っていると感じたことが決め手になったそうです。名張には、工夫次第で素晴らしい場所になるという、まだまだ秘めた魅力があるようです。そし、何より、地域を盛り上げたい、活性化させたいと熱い思いで活動している団体や人がたくさんいるので、その人たちと情報共有しながら、名張の魅力をもっと引き出したいと話してくださいました。参加者のみなさんは、自分たちが見過ごしている中に魅力があることに気づくことができました。

Part.4 テーマB「必要とされ続ける企業とは」
~人間らしい働き方と企業の持続可能な経済成長の両立~

「必要とされ続ける企業とは」
話題提供:名張市役所商工経済室 鎌田恵美さん
令和4年2月の市民意識調査の結果から、およそ6割の名張市民が、働く意欲のある人にいきいきと働ける場が確保されていないと感じているという結果が出ました。商工経済室では、企業誘致や起業・創業の支援をし、雇用の促進や若者の定住へ結びつける工夫をしています。その一例が、閉校した市内の3つの小学校の旧校舎を利用した事業所の開設です。 また、 先ほどのアンケートで、買い物や日常生活の利便性については、約7割の人が満足していると回答したそうです。ところが、自由意見欄には「複合施設がない」や「商店街が寂しい」などの意見も書かれていたそうです。 そこで、 商店街の活性化への後方支援にも力を入れています。また、持続・発展可能な産業基盤の構築を目指した事業も積極的に行っているそうです。このように商工経済室では、消費者と事業者両方をバランスよく支援しているという事を知りました。

話題提供:名張近鉄ガス株式会社 髙木ひかるさん
名張近鉄ガス株式会社は、地域の暮らしを支えるライフライン事業として、地域から信頼され、地域と共に持続的成長することを企業理念として、私たちの暮らしを支えてくれています。昭和36年創業から60年以上ガス事業を中心に、最近では太陽光発電事業や電気販売事業にも参入するなど、積極的に事業展開をされています。また、従業員の価値向上として、雇用上限を70歳に引き上げたり、子どもが3歳に達するまで取得できる育児休業制度や時短勤務、積立有給休暇を利用した男性育児休暇取得の促進など、安定して長期に働ける環境の整備にも力を入れておられます。活発に意見が交わせる職場にするために必要な風土形成への取り組みや、女性が働きやすい環境について女性自身が考える場の設定など風通しの良い職場づくりもされているそうです。また、業務車両に「こども110番の車」のステッカーを貼り地域の子どもの見守り活動を行うなど社会貢献活動も積極的に行っておられます。さまざまな場面で地域を支えてくださっていることを知ることができました。


2021年度から温めてきたこのワークショップを今年度開催することができました。
何度もやり取りを重ねながら、コーディネートして下さったMブリッジの米山さん、中川さん。
私たち主催者の思いに共感して、話題提供者を引き受けてくださったみなさん。
そして、参加してくださったみなさん。
アイデアシートには、参加者のみなさんの「名張に住む人がみんなよりよく暮らせるように」という願いがあふれていました。 みなさんが名張を思って書いてくださった「アイデアシート」は、きっとナバリのミライに役立つと信じています。
本当にありがとうございました。

名張市市民活動支援センター

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