【毎日jp】厚労大臣表彰 事故で利き手に障害の山中さんに リハビリ重ね農業従事 名張 /三重

 身体・知的障害を克服し、他の障害者の模範となる人たちをたたえる今年の「障害者自立更生等厚生労働大臣表彰」に、県内から名張市西原町の農業、山中伯弥(のりみつ)さん(80)が選ばれた。5日に厚労省で表彰式があった。山中さんは木工作業中の事故で右手に障害を負ったが、リハビリや工夫を重ねて農作業に従事し、「背負ったものと共に一心不乱に前を向いて進んできた。それが報われ、感慨深い」と喜んでいる。【竹内之浩】

 事故が起きたのは1991年8月。大型農機具の費用を工面するため、市内の木工会社でアルバイト中、右手を機械に挟まれ、親指と手首が粉砕された。

 利き手を傷めて絶望感に襲われたが、「物をつかめるようになって農業を続けたい」と、奈良県桜井市の病院で手首に自身の骨盤の骨と腹部の肉を移植する手術を1年近く受けた。さらに2年間、連日リハビリに通い、4本の指で物をつかめるようになり、車の運転もできるようになった。

 今は約1・3ヘクタールの田んぼでの稲作を主に、自家消費の畑作もしている。以前より指は動きにくくなり、握力も落ちた。農作業の多くは機械で済むが、田の隅は鎌で刈らねばならず、柄にテープを巻いて太くして握りやすくしている。紐を結んだり、ほどいたりする作業は左手と口で行う。

 そんな中でも今年3月まで市身体障害者互助会副会長を13年間務めたほか、市の防犯委員や農業委員などを歴任。地域の活動にも積極的に参加している。

 7年前には腰の病気で寝たきりになったことがあり、今も腰や膝の神経痛に悩んでいるが、「何度倒れても強い意志で挑んでいくことが大切。表彰を励みに、もうひと頑張りしたい」と話している。

毎日jp記事より