名張市男女共同参画推進条例

2005年10月3日
条例第24号

目次

前文
第1章 総則(第1条―第10条)
第2章 基本的施策(第11条―第21条)
第3章 相談及び苦情への対応(第22条・第23条)
第4章 名張市男女共同参画推進審議会(第24条)
第5章 補則(第25条)
附則

前文

名張市は、日本国憲法にうたわれた『個人の尊重』と『男女平等』の理念を受け、男女が生き生きと輝いて暮らせるまちを築くために、多彩な市民の融合と共存を原動力として、さまざまな施策の推進に努めてきました。
しかしながら、男女の性別による固定的な役割分担意識に基づく社会の制度や慣行が、今なお、根強く存在しており、さらに配偶者等への暴力が新たに社会問題化するなど、真の男女平等の達成には多くの課題が残されています。
わたしたちは、人間尊重を原点に、性別にかかわりなく、多様な生き方が尊重され、生涯を通してそれぞれの夢に挑戦することができる環境を望んでいます。このためには、世代や分野を超えたあらゆる場において個性や能力を十分に発揮し、責任を分かち合い、生きがいを持って暮らしていける社会を創造していかなければなりません。
このことから、わたしたちは、男女共同参画社会の実現を新しい時代の要請を受けて取り組むべき重要課題と位置づけ、市民一人ひとりが互いを大切にし、男女が共に輝く、平和で暮らしやすい名張市を築くため、この条例を制定します。

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第1章 総則

(目的)
第1条 この条例は、名張市における男女共同参画の推進に関する基本理念を定め、市民、事業者、市民活動団体等、教育に携わる者及び市の責務を明らかにするとともに、市が実施する施策の基本となる事項を定め、男女共同参画社会を実現することを目的とします。
(定義)
第2条 この条例における用語の意義は、次のとおりとします。
(1) 男女共同参画 性別にかかわりなく、すべての人が自らの意思により、社会のあらゆる分野における活動に参画し、個性と能力を十分に発揮する機会が確保され、共に責任を担うことをいいます。
(2) 積極的改善措置 社会のあらゆる分野における活動に参画する機会において、男女間の格差を改善するために男女のいずれか一方に対し、積極的に機会を提供することをいいます。
(3) 市民 市内で住む者、働く者又は学ぶ者をいいます。
(4) 事業者 市内において事業を行う個人又は法人をいいます。
(5) 市民活動団体等 市内において活動を行う市民団体及びコミュニティ活動のための組織等をいいます。
(6) セクシュアル・ハラスメント(性的いやがらせ) 性的な言動によって他の者を不快にさせ、生活環境を害すること、又は性的な言動を受けた者の対応に起因してその者に不利益を与えることをいいます。
(7) ドメスティック・バイオレンス(配偶者等への暴力) 配偶者、恋人等の親密な関係にある者への身体的又は精神的な苦痛を与える暴力行為及びそれを目撃することで起こる子ども等への心理的虐待をいいます。
(基本理念)
第3条 男女共同参画を推進するための基本理念は、次のとおりとします。
(1) 男女の人権の尊重 男女が個人として尊重され、性別による差別的な扱いを受けることなく、能力を発揮する機会が確保されること。
(2) 社会における制度及び慣行についての見直し 性別による固定的な役割分担意識に基づく社会における制度及び慣行が、男女の社会における活動の自由な選択に対して影響を及ぼすことのないよう見直されること。
(3) 政策等の立案及び決定への共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、市における政策又は事業者、市民活動団体等その他の団体における方針の立案及び決定に参画する機会が確保されること。
(4) 家庭生活と社会活動の両立 家族を構成する男女が、互いの協力及び社会の支援の下に、家事、育児、介護等の家庭生活と職業生活、地域活動その他の社会活動とを両立できるようにすること。
(5) 次世代の育成 次代の社会を生きる子どもを「こころ豊かに育む」ために、家庭、学校、職場、地域その他あらゆる場において男女が共に参画し責任を担い、安心して子どもを産み、慈しみ育てられる環境づくりへの取組が進められること。
(6) 男女の生涯にわたる健康の確保 男女が、生涯にわたり健康な生活を営むことができるよう、それぞれの性にかかわる身体的特徴について理解を深めるとともに、生命の尊厳及び母体の保護を基に、妊娠、出産等について互いの意思及び決定を尊重すること。
(7) あらゆる教育の機会における男女共同参画への理解を深める取組 家庭、学校、職場、地域その他あらゆる教育及び学習の機会において、性別にかかわりなく、個人として自ら学び、考え、決定して行動することの重要性を認識し、男女共同参画への理解を深めるための取組がされること。
(8) 国際的視野での協調 男女共同参画社会の実現に当たっては、国際社会における取組と連動し、国際社会の一員としての視野に立ち協調すること。
(市民の責務)
第4条 市民は、基本理念に基づき、男女共同参画についての理解を深め、家庭、学校、職場、地域その他あらゆる場において、男女共同参画の推進に努めなければなりません。
2 市民は、市、事業者及び市民活動団体等が実施する男女共同参画に関する事業に協力するよう努めなければなりません。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、基本理念に基づき、その事業活動において、男女が対等に参画できる機会を積極的に確保するとともに、その雇用する男女の職業生活が家庭生活、地域活動その他の社会活動と両立できる職場環境の整備に努めなければなりません。
2 事業者は、市、他の事業者及び市民活動団体等が実施する男女共同参画に関する事業に協力するよう努めなければなりません。
(市民活動団体等の責務)
第6条 市民活動団体等は、基本理念に基づき、その団体活動において、男女が対等に参画できる機会を積極的に確保するよう努めなければなりません。
2 市民活動団体等は、市、事業者及び他の市民活動団体等が実施する男女共同参画に関する事業に協力するよう努めなければなりません。
(教育に携わる者の責務)
第7条 家庭教育、学校教育、生涯学習その他あらゆる教育に携わる者は、男女共同参画を推進する上での教育の果たす役割の重要性を認識し、基本理念に基づき、教育を行うよう努めなければなりません。
(市の責務)
第8条 市は、基本理念に基づき、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含みます。以下同じ。)を定め、これを総合的かつ計画的に実施しなければなりません。
2 市は、男女共同参画の推進に当たっては、市民の意見を尊重するとともに、市民、事業者、市民活動団体等及び教育に携わる者(以下「市民等」といいます。)のほか、国、県及び他の地方公共団体と連携し、協力しなければなりません。
3 市は、男女共同参画に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講じなければなりません。
4 市は、政策の立案及び決定過程に男女の区別なく参画できること、男女が共に働きやすい職場環境の整備等、率先して男女共同参画を推進しなければなりません。
(性別による権利侵害の禁止)
第9条 すべての人は、あらゆる場において、次の行為をしてはなりません。
(1) 性別による差別的な扱い
(2) セクシュアル・ハラスメント
(3) ドメスティック・バイオレンス
(広告物等の表現への配慮)
第10条 すべての人は、広く市民等を対象として、広告、ポスター、看板等で情報を提供しようとする場合、性別による固定的な役割分担意識及び男女間の暴力等を助長し、又は連想させる表現及び過度な性的表現を行わないよう配慮しなければなりません。

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第2章 基本的施策

(基本計画)
第11条 市は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画(以下「基本計画」といいます。)を策定しなければなりません。
2 市は、基本計画を策定又は変更するときは、名張市男女共同参画推進審議会の意見を聴くとともに、市民の意見を反映させるよう努めなければなりません。
3 市は、基本計画を策定したときは、速やかにこれを公表しなければなりません。
(施策の策定等に当たっての配慮)
第12条 市は、あらゆる施策を定め、実施するに当たっては、男女共同参画の推進に配慮しなければなりません。
(推進体制の整備)
第13条 市は、関係部局の相互連携により、男女共同参画の推進に関する施策を円滑かつ総合的に実施するため必要な推進体制を整備するものとします。
(調査研究)
第14条 市は、男女共同参画の推進に関する施策を定めること及びその推進に必要な事項について、調査研究を行うとともに、その成果を施策に反映させるものとします。
(市民等の理解を深める取組)
第15条 市は、市民等の男女共同参画に関する意識及び理解を深めるよう、情報提供及び広報活動等の充実に取り組まなければなりません。
(積極的改善措置)
第16条 市は、審議会等における委員を委嘱し、又は任命するときは、原則として男女のいずれか一方の委員の数が、委員の総数の10分の4未満にならないように努めなければなりません。
2 市は、事業者及び市民活動団体等に対して、積極的改善措置のための助言をすることができます。
(市民等の活動への支援)
第17条 市は、市民等に対して、男女共同参画の推進活動に関する情報の提供、人材の育成及びその他必要な支援を行うものとします。
(事業者等からの報告)
第18条 市は、男女共同参画の推進に関する現状及びその他必要な事項について、事業者及び市民活動団体等に報告を求めることができます。
(男女共同参画について考える日)
第19条 市は、毎月22日を男女共同参画について考える日と定め、市民等の理解を深め、関心を高めるための活動を行うものとします。
(拠点機能の整備)
第20条 市は、男女共同参画社会の実現に向けた施策を実施し、及び市民等による男女共同参画の取組を支援するために、総合的な拠点機能を整備するものとします。
(施策の実施状況の公表)
第21条 市は、毎年度、基本計画に基づく施策の実施状況について、広く市民に周知できるよう工夫して公表しなければなりません。

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第3章 相談及び苦情への対応

(相談及び苦情への対応)
第22条 市は、性別による差別的な扱い、セクシュアル・ハラスメント、又はドメスティック・バイオレンスによる被害若しくは不利益を受けた者からの相談があった場合は、被害者保護のために必要に応じて関係機関と連携し、解決に向けた適切な対応をするものとします。
2 市は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策や男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる事項に関して市民等からの苦情の申出があった場合は、問題解決に向けた適切な対応をするものとします。
(男女共同参画専門員による処理)
第23条 市は、前条の相談及び苦情の申出(以下「申出等」といいます。)に対応するため、男女共同参画専門員(以下「専門員」といいます。)を置きます。
2 市は、申出等があった場合は、申出者の意思を尊重し、必要に応じて専門員の意見を聴き処理するものとします。
3 専門員は、申出等に対応する場合において、必要があると認めるときは、調査を行うことができるものとします。この場合において、関係者は、当該調査に協力するよう努めなければなりません。

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第4章 名張市男女共同参画推進審議会

(男女共同参画推進審議会)
第24条 男女共同参画の推進に関して必要な事項を調査審議するため、名張市男女共同参画推進審議会(以下「審議会」といいます。)を設置します。
2 審議会は、男女共同参画の施策の推進に関し必要な事項について市長に意見を述べることができます。
3 審議会は、委員20人以内をもって組織します。この場合において、男女のいずれか一方の委員の数は、委員の総数の10分の4未満にならないようにしなければなりません。
4 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱し、又は任命します。
(1) 市民
(2) 事業者
(3) 市民活動団体等関係者
(4) 教育に携わる者
(5) 学識経験者
(6) 関係行政機関の職員
(7) その他市長が適当と認める者
5 委員の任期は、2年とし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とします。ただし、再任を妨げません。

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第5章 補則

第25条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定めます。

附 則

この条例は、平成18年4月1日から施行します。