ひと 赤根智子さん=国際刑事裁判官になる最高検検事/毎日jp

 赤根智子(あかね・ともこ)さん (61)
 日本の法曹界から初めて国際刑事裁判所(ICC)の裁判官になり、3月にオランダ・ハーグに着任する。ICCは戦争犯罪や人道に対する罪を犯した個人を国際法に基づき訴追・処罰する裁判所。昨年12月にニューヨークであった裁判官選挙(18人中6人改選)で12カ国が候補者を擁立したが、トップ当選。30年超の検事経験が評価された。

 20年近くたっても忘れられない裁判がある。札幌地検公判部長として指揮した時効寸前の殺人事件。今ほど一般的でなかったDNA型鑑定を駆使して公判に臨んだが、結果は無罪。無念さは今も残るが、被害者の親族からねぎらいの言葉をもらい、真相究明への努力を重ねる大切さを痛感した。「刑事司法に限界があるが、力を尽くさなければ」と胸に刻んだ。

 法務省が国連と共同で犯罪者処遇に関する国際研修などを行う「国連アジア極東犯罪防止研修所」(東京)で計約7年間、教官、所長などを歴任。女性など特別な配慮が必要な犯罪者への処遇の国際研修にも携った。「処罰だけでなく、再犯をどう防ぐか。その視点の重要性を学んだ」

 ICC締約国は現在123。自国民が裁かれることを危惧する米国やロシア、中国などは未締約だ。「成長しなければならない組織。着実に実績を積み重ね、国際社会の信頼を得ていきたい」。穏やかな口調に決意をにじませた。