三重~る経済 頂上へ一歩ずつ女性たちの挑戦=百五総合研究所・鈴木理可/三重/毎日jp

 <三重(みえ)~る経済>

 県内のあるホテルの一間が女性たちの笑顔と快活な声で彩られた。といっても、高級ランチビュッフェの光景ではない。

 三重県では「みえの輝く女子プロジェクト」と称して、女性が活躍できる職場環境づくりを支援している。その一環として、県内で働く女性のさまざまな挑戦をたたえ、応援する「チャレンジャーズ・アワード2017」が開催され、会場には何かに挑戦する、挑戦したいと願う女性が集った。

 事前審査を通過したファイナリスト10人が観客に思いを届けた。発表が終わると、会場から大きな拍手が送られた。発表者の挑戦の中身は、旅館のおもてなし向上▽伝統工芸の継承▽障がい者の就労支援▽男性主体の職場で女性が働きやすい環境整備--など、さまざま。

 一般的に「挑戦」と聞けば、高く険しい崖に勇気を奮って挑むような印象を受ける。一方、彼女たちの挑戦は一歩ずつ足元を踏みしめながら頂上を目指す登山のようである。くじけず歩を進めていたら、いつのまにか高みに来ていた。見たことのない景色が広がり始めた。そんなイメージが浮かんだ。

 働く女性の挑戦=起業ではないが、17年版中小企業白書「起業希望者および起業家の性別構成の推移」によると、女性の起業希望者割合は1997年の25・6%を境に増加傾向にあり、12年は33・4%まで上昇している。一方で、全体の起業家に占める女性の割合は97年が37・1%、12年が28・8%と減少傾向にある。

 起業に至らなかった要因として、14年版白書「起業の準備に踏み切らない理由」によると、現状への満足▽実現方法がわからない▽資質や能力への不安--などが挙げられている。

 今回の発表者は、過度に恐れず、無理をせず、自分のやりたいことに挑戦しており、聴く側も「自分にもできるかもしれない」と印象づけられるものだった。彼女らに勇気をもらい、山を登り始める女性が増えることを願う。=次回は11月3日

〔三重版〕