社説 日本スポーツ界の女性役員 「1割」程度では情けない/毎日jp

男女共同参画社会の実現に向けて、政府は指導的地位にある女性の割合を2020年までに30%にすることを目標にしている。

 世界のスポーツ界が目指すのは、さらに高い「40%」である。

 6月は国内の競技団体にとって役員改選の季節だ。世界からの遅れを取り戻すべく、大幅な女性登用に取り組むべきだろう。

 「40%」は、男女平等を目的とした「国際女性スポーツワーキンググループ(IWG)」が14年に発表した提言「ブライトン・プラス・ヘルシンキ宣言」の目標値である。

 公益財団法人「笹川スポーツ財団」が昨秋行った調査によれば、日本オリンピック委員会(JOC)などに加盟する61の競技団体で女性役員の割合は11%に過ぎない。ゼロの団体も11あった。

 体育会系の上下関係が重視され男性中心に人事が決まったり、女子競技の歴史が浅く適任者が見つからなかったりという事情はあったとしても、看過できない。

 国際オリンピック委員会(IOC)は4月、各委員会を含めた女性役員の割合を38%に引き上げた。バッハ会長が就任した13年当時に比べ7割増えたという。

 日本が1985年に締結した女性差別撤廃条約には「スポーツ及び体育に積極的に参加する同一の機会」の確保を掲げた項目がある。

 指導的役割や意思決定への女性の参画は男女平等につながり、一般社会への模範になる。スポーツのすそ野を広げてもくれるだろう。性的嫌がらせなどの排除にも女性の力は必要だ。

 スポーツ庁やJOC、日本体育協会などは4月、「ブライトン・プラス・ヘルシンキ宣言」に署名した。今後は、男女均等化計画の制定や男女別の定数制の導入など具体的な方策を示していくべきだ。

 競技者に目を転じれば、IOCが策定した中長期改革「アジェンダ2020」では、参加選手の男女比を同等にすることが明記され、男女混合種目の採用が奨励されている。

 指導的立場であれ選手であれ、一方の性に偏らないのが自然な姿だろう。いびつな現状を是正し、20年東京五輪・パラリンピックで日本は世界に誇れる姿を見せたい。