なばりこども食堂 「みんなで食べる」は楽しい 気軽な世代間交流の場に /三重/毎日jp

 継続支援」態勢作り必要

 6月に始まった「なばりこども食堂」が2回開かれ、子どもら約250人が訪れる好調なスタートを切った。子ども食堂の「貧困」イメージを和らげようと、高齢者なども気軽に集える交流の場作りを進める。今後は地元農家や高校生らの協力を得て「食育」にも取り組むという。実際に子ども食堂を訪ねて、参加者の感想や団体の展望を聞いた。

 ■1人じゃない

 7月に旧細川邸やなせ宿(同市新町)であった「こども食堂」。割った竹を使った流しそうめんが人気で、市内の小学校に通う少女(11)は「初めてで面白い。たくさんの人と食べるのは楽しい」と笑顔だった。一緒に来た30代の母親と市内で2人暮らし。残業で帰宅が午後9時になる母を待ち、菓子パンで空腹を満たすことも多い。

 母親は、残業代の約10万円をとるか、早く帰ったら娘と夕飯を食べられるという葛藤が常にあると話す。「娘はから揚げを1人で作れるが、本当はご飯を作ってあげたい」とポツリ。「食堂」は子ども無料、大人300円で「(経済的にも)ありがたい。娘も友達を作れそう。知人にも広めたい」と話した。

 「子どもに関わる仕事に就くのが夢」と語るボランティア参加の女性にも出会った。桔梗が丘西1の定時制高校1年生、中原麻結さん(20)。保育士の母由貴さん(48)と親子で、子どもたちを見守ろうと活動した。中原さんは「専門的な知識はないが、年が近いからか、子どもが友達感覚で接してくれた。距離感の取り方が難しかったが勉強になる」と語り、今後もボランティアを続けたいと爽やかな汗を流した。

  ■市は橋渡しの役割

 主催団体が抱える最大の課題は、継続するための資金や食物、運営の人的支援だ。

 このため市子ども家庭室は、国や各種団体の基金を紹介するほか、市産業部と連携して、食材や人材でも協力する方針だ。担当者は「他の場所で子ども食堂を始めたい方がいたら協力したい」としている。

 また、同室は6月に市内全19小中学校の児童生徒、保護者や教育機関関係者を対象にアンケートを実施。子どもの貧困を下支えするための計画を9月までに策定する予定で、市担当者は「子ども食堂にも活用してもらえるようにしたい」と語る。

  ■食育や学習支援も

 食堂1回目は鹿肉カレー、2回目は流しそうめんを振る舞った。これまでに市内外の近隣農家、養鶏所、精肉店など約20の個人・団体から野菜、米、肉、魚、調味料などの提供があった。水口薫代表=新田=は「皆、手弁当でやっている。地元に根付いた態勢づくりが必要」とし、資金面を含めた「安定運営のための継続支援」を訴える。

 今後は、生産者の農家や農業関連の高校に協力を求め、農産品に懸ける熱意を聞くなどする「食育」のイベントを企画するほか、将来的には、食事後の施設を利用した学習支援も視野に入れる。

 水口さんは「名前は『子ども食堂』だが、いろいろな人が交流する居場所にしたい」と、高齢者にボランティアの協力を呼び掛けるなどし、かつての村社会のように「開けた場所」作りを進める。

 食堂名のフェイスブックやホームページで活動を確認できる。寄付など問い合わせは、水口代表(090・8182・9372)。

 年度内のスケジュールは次の通り。

 8月28日▽9月25日▽10月16日▽11月20日▽12月18日▽1月15日▽2月19日▽3月19日

〔伊賀版〕