性的少数者の声、社会へ 伊賀市に要望、市長「多様性が大切」 /三重/毎日jp

団体代表・山口さん 病院や教育、広がり期待

 伊賀市が同性カップルをパートナーと認める証明書の発行を検討している問題で、性的少数者(LGBT)でつくる団体「ELLY(エリー)」代表の山口颯一さん(25)=伊勢市=が18日、伊賀市役所を訪問。岡本栄市長と中岡久徳・市議会議長らにLGBTが不利益を受けない環境の整備や啓発への協力を要望した。  
 
女性として生まれた山口さんは、20歳で性別を男性に変え、現在は講演活動や当事者の就職支援に取り組んでいる。昨年12月、伊賀市主催の人権集会で講演した後、証明書の要綱制定の動きを知り、「県内の当事者の声を参考にしてほしい」と面談を求めた。

 この日、山口さんは名古屋市のゲイ(男性同性愛者)の男性(33)と共に、岡本市長や中岡議長らと面談。山口さんは県内の当事者約30人からアンケートした要望や課題について▽認知・研修▽トイレ▽病院−−など8項目33件を説明した。

 「認知・研修」では▽教員のLGBT研修の受講▽学校内での相談室の設置▽LGBTに対する県の行動指標の制定−などを要望。「トイレ」では男女兼用の増設▽「病院」では県内にない性同一性障がいの治療ができる病院の新設−−などを求めた。

伊賀市では3月までに要綱を制定し、4月から同性カップルがパートナーであることを示す宣誓書を提出すると、パートナーを公認する受領証(証明書)を交付する予定。同性カップルに認められていない市営住宅の入居や市立病院での手術の同意なども異性カップルと同じ扱いにする方向で調整している。

 この日、岡本市長は要望に対し、「単に性の問題ではなく、多様性のある社会を作ることが大切。考えていても前に進まないので、できるところから対応し、走りながら考える」と応じた。中岡議長は「議会としてLGBTを学ぶ機会を作る」と話した。

 山口さんは「前向きな姿勢を示していただき、ありがたい。伊賀市の動きをきっかけに、全県にLGBTの理解が広がることを期待している」と述べた。